日本にはない夫婦が一つのユニットとして申告を行うことができる夫婦の合算申告がある。
夫婦が二人ともアメリカ市民とかグリーンカード等の場合、一緒に1通の申告書で申告できる。
配偶者がアメリカ市民で、片方の配偶者が日本に住んでいるアメリカ市民ではない日本人の夫婦の場合がある。この場合でも日本人の配偶者をあたかもアメリカ市民のように税務上扱い、夫婦合算で申告することは認められている。日本人の配偶者に所得がほとんどなければ、控除だけ使って納税額を引き下げる効果はある。
アメリカ市民と結婚している普通の日本人が、夫婦合算申告を行うには特別に手続きが必要だ。税務申告の上では自分をみなしアメリカ市民とする申請をして受理されなければならない。勝手にはできず手続きがある。
さて、この場合の情報申告(FBAR/FATCA)はどうなるのか。日本人の配偶者はあくまでも情報申告の義務を負うのだろうか。
FBAR:
申告を行う人はUS personだ。上述の特例を使っても、その人がアメリカの市民権を有している事にはならない。非居住配偶者が米国の税務申告で共同申告を選択しても、そのこと自体ではFBARの提出義務が生じない。
FATCA(Form 8938):
非居住配偶者が米国の税務申告で共同申告を選択した場合は、FATCAの報告条件に合致する限り非居住者であっても申告をしなくてはならない。Form 8938はForm 1040の付表であり、そもそもForm 1040を夫婦合算で申告することを宣言している。
情報申告では泣き別れてしまう事になる。FATCAで申告を怠れば非居住配偶者はペナルティの対象になってしまう。
みなしアメリカ市民となれば、やめるためにはアメリカ市民と見なさない逆の手続きが必要だ。その手続きを怠れば、極端に言えば死ぬまでその申告義務は継続する。何十年もアメリカに申告をし続ける。
夫婦合算で申告を行うことは、納付する税金に責任を取ることを意味する。相手に負担する能力が失われたら、自分が納付しなくてはならない。
アメリカに申告をする必要がない日本人が、アメリカに申告を行い納税する事は慎重に判断するべきだろう。
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