IRSは日本在住者に対して、申告書をまとめる時間的余裕を与えるために、申告期限を自動的に 6 月 15 日まで延長している。しかし、「とても明日までに申告書を提出できない」という場合もある。あきらめる必要はない。Form 4868 を提出することで、申告期限を 10 月 15 日まで延長できる。ただし、税金の支払い義務そのものは 4 月 15 日に確定しており、これは延長されない。
アメリカ税法では「申告しない」ことに対する罰則が重い。無申告罰金は通常月 5%で、最大 25%に達する。一方、支払い遅延に対する罰則は月 0.5%であり、その差は 10 倍にもなる。延長申請を行えば「申告をする意思表示」とみなされるため、無申告罰金を回避できる点が重要である。
夫婦で申告する場合、合算申告を予定しているなら夫婦連名で Form 4868 を 1 枚提出すればよい。個別申告を予定している場合は、それぞれが別々に Form 4868 を提出し、自分自身の所得・源泉徴収・予定納税額のみを記載する必要がある。なお、延長申請時点での申告ステータスは柔軟であり、夫婦合算で延長申請して後に個別申告へ変更することも、逆に個別で延長申請して後日共同申告にまとめることも可能である。
では、延長時点でいくら支払えばよいのか。これに完全な正解はない。通常は前年の Form 1040 を出発点にし、給与の増減、株式売却、日本側の所得、不動産収入、年金、為替変動などを加味して概算する。それも難しければ、昨年と同額を納付するという選択肢もある。税金が発生しない場合も多く、その場合は Form 4868 の税額欄をゼロで提出すればよい。
Form 4868 の提出方法はいくつかある。電子申告で送信することができる。電子申告に馴染みがない場合は紙の Form 4868 を郵送することもできる。IRS の送付先は州や提出方法によって異なり、毎年変更されることもあるため、その年の Instructions を確認する必要がある。郵送の場合は期限日までの消印が重要であり、小切手を同封する際には SSN、税年度、「Form 4868」を明記する。
今から小切手の作成や郵便局への持ち込みができない場合もある。そのような場合には、「税金の支払いだけで延長申請になる」という仕組みを利用できる。日本にいながらクレジットカード払いを行えば、自宅でオンラインショッピングと同じ感覚で処理でき、支払いと延長申請を同時に完了できる。ただし、クレジットカード払いのみで延長申請を済ませる場合でも、6 月 15 日 23:59(米国時間)以前の決済承認が必須である。タイムゾーンを考慮し、早めの処理が望ましい。アメリカに預金口座を持っている場合は、IRS Direct Pay を使い「Extension」を選択して支払うだけで、Form 4868 の提出と同等の扱いになる。
まだまだあきらめることはない。
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