将来贈与とは、受贈者がすぐに資産を自由に使用できず、将来的に受領できる権利として受け取る贈与を指す。受贈者が即時かつ無条件の権利を取得せず、特定の条件や時期が到来して初めて受益権が発生する贈与形態を指す。たとえば、子どもや孫が、大学入学後に授業料・生活費として使用できるように、1000万円を贈与するというような事例が相当する。
基本的な特徴
• 受領時期の遅延:
受贈者がすぐに権利を行使できず、将来時点で実際に受領できる贈与だ。
• 不確定性:
口約束のような曖昧な合意では、贈与者や受贈者がその将来時点まで存命しているか、財産が存在しているか、さらには受贈者が実際にその権利を行使するのかなど不確実なため、単なる意向表明に過ぎない恐れがある。
• 支配権の継続:
贈与者が受益者を自由に差し替えることが可能な状況や、支配権を完全に放棄していない場合は、贈与が「完成」していないとみなされ、贈与税の課税対象とならない。
アメリカ連邦贈与税
アメリカでは、将来贈与は、不可能ではないが、明確かつ法的拘束力のあるものでなければならない。
• 正式な文書による権利の移転:
将来贈与は、口約束のような曖昧な約束ではなく、取り消し不能な信託契約書などによって正式に権利が設定される必要がある。これにより、贈与者は取り戻しや支配を行う権限を完全に放棄し、贈与が「ガチガチの確定状態」となる。
• 贈与の成立と課税タイミング:
贈与財産が取消不能信託に移された時点で、受領権が未来に限定されていたとしても、贈与者がもはやその権利を取り戻すことができないため、贈与は成立したとみなされる。この場合、税務上の申告はForm 709を用いて行われる。
• 税額計算上の違い:
完全な将来贈与は、現時点での受領権移転として認識される一方で、年間の非課税贈与枠$19,000は適用されない。現行のルールでは、受領権が現時点で行使可能な「現在贈与」の場合にのみ、年間非課税枠が利用できる。将来贈与に対しては生涯控除(2025年では約$1,399万)のみが適用される仕組みとなっている。
国際的な視点:日本人贈与者の場合
もともと、贈与や相続の場合、アメリカの税金は財産をあげる人(贈与者/被相続人)に課税を受け、日本では財産をもらう人(受贈者/相続人)が課税を受けるので全く逆となる。
贈与者が日本に居住している日本人で、かつアメリカ市民権やグリーンカードを有していない場合、贈与する財産がアメリカ国内の「有形資産」(不動産など)に該当しない限り、アメリカの贈与税は適用されない。Form 709の提出も不要だ。しかし、受贈者がアメリカの市民、永住権保持者(グリーンカード保持者)、または居住者である場合、非居住外国人からの贈与額が年間合計 $100,000 を超えると、受贈者には情報開示のためのForm 3520による報告義務が発生する。
まとめ
アメリカの税務では、将来贈与の成立には契約書等による明確な権利移転が必須である。受贈権が将来に限定される場合であっても、贈与者が一切の支配権を放棄している状態であれば、法的には既に「贈与」が成立していると解釈される。さらに、将来贈与はその特性上、非課税贈与枠は適用されず、贈与税の課税方法も現時点での贈与とは異なる。
国際的な面においては、贈与者がアメリカ非居住外国人である場合、アメリカに存在しない財産にはアメリカの贈与税は適用されない。このためForm 709の提出は不要だ。ただし受贈者はForm 3520の報告義務($100,000超)を負う。
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