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不動産譲渡益に税金がかからないか?

2025年10月19日

米国では、主要な居住用不動産の譲渡益に対して、最大25万ドル(夫婦合算申告の場合は最大50万ドル)までのキャピタルゲインが非課税となる。この控除を超過した利益には、連邦のキャピタルゲイン税が課税される。

控除制度の概要(Section 121 Exclusion)

米国の主要な居住用不動産の譲渡益に対する譲渡益控除(Section 121 Exclusion)は、1997年の納税者救済法(Taxpayer Relief Act of 1997)によって導入された。現行制度では、譲渡日以前の過去5年間のうち合計2年以上その不動産を所有し、かつ主要な住居として使用していれば、独身者は最大25万ドル、夫婦合算申告者は最大50万ドルまでの譲渡益を繰り返し非課税にできる。この控除額は2025年現在も変更されていない。

インフレ調整の欠如と課税対象者の増加

この控除限度額はインフレ調整されていない。そのため、時間の経過とともに実質的な税制優遇の価値は低下している。その結果、近年、米国全土での住宅価格の高騰により、控除額を超過する譲渡益が発生し、キャピタルゲイン税の課税対象となる人が増加傾向にある。1997年以降の住宅価格の上昇率に合わせて控除額が調整されていた場合、現在の非課税限度額は独身で約60万ドル、夫婦で約120万ドルに相当するとの推計もある。

政治的な動向:キャピタルゲイン税廃止の議論

この状況に対し、トランプ大統領は、住宅市場の流動性向上策として、主要な居住用不動産のキャピタルゲイン税を完全に廃止する法案の支持を表明し、検討していると報じられている。非課税限度額の撤廃や引き上げは、特に高額物件の売買を活性化させ、市場供給の増加につながることが期待される。

日本の不動産への適用と為替の影響

米国で確定申告を行う納税義務者(米国市民や永住権保持者など)にとって、このキャピタルゲイン控除は、日本にある主要な居住用不動産の譲渡にも適用される。譲渡益は米ドル建てで計算され、為替レートの変動が大きく影響する。例えば、以下のケースでは、円安が米ドル建ての利益を抑え、非課税枠に収まる結果となる。

購入時(2000年): 5,000万円 ÷ 107.8円/ドル 約$46万

売却時(現在): 1億円 ÷ 150円/ドル 約 $67万

譲渡益: $67万 – $46万=約$21万

約$21万の譲渡益は、独身者の控除額でも$25万の範囲内であるため、米国連邦税の課税は発生しない。もしも譲渡益の控除額がインフレ調整されると更に余裕が生ずる。ただし、これは日本の税金は別に考慮する必要がある事は言うを待たない。

(まとめ)

個人所得税の主要な不動産の譲渡益控除額:独身で最大25万ドル 夫婦合算で最大50万ドル


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