2016年12月11日

2016.12.11
その他

窓税

数日前の朝日新聞の天声人語にも窓税のことが書かれていた。2007年の正月に弊ブログで窓税のことを書いていたので、もう一度、窓税を見てみたい。 窓税と言う言葉がある。300年以上前にイギリスで始まった税金のことである。 この言葉はもともと、Window taxから生まれたものだ。この税金はイギリスのウイリアム3世の時代、1696年に始まり、1851年に廃止されるまで続いた。150年以上続いた税金と言うことになる。これは、まさに窓を課税対象として税金をかけた物だと言う。窓の数が6つ以上あれば課税された。 おおよそ考えられないような税金である。当時ガラスを作ることは、たいへん金がかかるものだった。つまり、窓にガラスを使うこと富裕な人でなければできないことであった。家が大きければたくさん窓があった。だから大きい家ほど税金を払うことになった。 1792年に窓が7つから9つあれば2シリング、10から19あれば4シリング払わねばならなかった。1825年には窓の数が6から8までに下がったと言う。課税標準が下がったことになる。 1851年には窓ではなく、固定資産と所帯に対して課税されることになり、この窓税は廃止となった。 何としても、税金を払いたくないと言うのは、300年前の人たちも、現代の人も変わることがない。人々は、税金を払わなくても良いように、窓をレンガでふさいでいるのだという。 写真は下記をクリックする。 http://www.flickr.com/photos/75865566@N00/71886284/ http://www.flickr.com/photos/jollymaguire/114559421/ http://www.flickr.com/photos/nileey/257249703/ 興味深いことは、この窓税は妥協の産物だった。すなわち、個人所得税よりはこの窓税の方がよいと言うわけである。当時英国の多くの人たちは所得税に反対していた。個人の所得を開示することは、政府が個人に踏み込むことであった。そして、個人の自由に対する潜在的な脅威と考えた。事実、英国の所得税は18世紀後半まで導入されなかったし、19世紀になっても異論があった。アメリカにおいては、こうした窓税と言うものは聞いたことがない。 人間が生存するために、太陽の光は欠かせないものである。その光に対して課税することについて現代の我々の感覚ではとても認容できるものではない。 今日、課税されている水や食べ物、空気(二酸化炭素排出権)などに課税することが、今から300年もすれば全く理解できないと言うことになるのかもしれない。

Read More

カレンダー

2016年12月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  

Tsuchida & Associates

〒103-0016
東京都中央区日本橋小網町4-8-403
Phone:03-6231-0301


相続税:資産家のための相続税相談申告センター
日本の税務:星泰光・杉沢史郎税理士事務所

アクセス

水天宮前駅 東京メトロ半蔵門線
6番口 4分
茅場町駅 東京メトロ 東西線
A4出口 徒歩5分
人形町駅 東京メトロ 日比谷線 / 都営浅草線
A2出口 7分
Copyright © Tsuchida & Associates All Rights Reserved.
ページTOP