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所得税

2023.12.03
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Form 1040の電話番号・電子メールアドレス

Form 1040には電話番号とメールアドレスを入力する場所がある。下図の一番下だ。ここは入れても入れなくても、申告書の処理に影響を及ぼすことはない。 IRSが連絡を取る必要がある場合は、米国郵政公社の普通郵便を使う。 IRSから電話や電子メールで突然、お金や個人情報を要求されたら、すぐに頭の中で警戒アラームが鳴るはずだ。しかし、アメリカの申告に慣れていなかったり、日本にいて外国語のメールをもらうと判断が難しいことがあるかも知れない。 原則:IRS を名乗って電話や電子メール個人に連絡し、個人情報やお金を要求する場合は詐欺だと思って良い。 IRSは決して次のことをしない。① 電子メール、テキストメッセージ、またはソーシャルメディアで納税者と連絡を開始し、個人情報または財務情報を要求する。② 納税者に訴訟や逮捕の脅迫電話をかける。③ 電話、電子メール、またはテキストメッセージで、納税者の社会保障番号やID PIN を要求する。 Form 1040でなぜこの欄を設けるのかには理由がある。IRSが税務調査、徴税、犯罪捜査など特定のケースで個人に連絡する場合だ。申告をきちんと適正に行っている人には縁がない。その目的だとしても最初は必ず手紙での連絡となる。 Form 1040を記入しなければならないという場合、とにかく律義に丁寧に記入しようとする。もちろんそれが当たり前で、それにより被害を受けないことが理想だ。現実的にはきれいごとだけではない。 この欄を記入するかどうかは自由で、必ず記入しなければならないことはない。大事な個人情報で、これを盗み取られて詐欺に巻き込まれることを未然に防ぎたい。この記入が強制とならない限りは、元から記入しない事が安全だろう。

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2023.11.26
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痛い延滞税

2022年分の申告を延長申請せずに、延長申請の申告期限の10月17日に申告をして、$400($1=150円で6万円)の税金を納付したとする。ペナルティ・金利は含んでいないので、IRSから後日、ペナルティ・金利の請求があるのは織り込み済みだ。 ペナルティには次の2つがある。① Failure to file penalty (申告遅れ)月当たり残高の5%② Failure to pay penalty (納付遅れ)月当たり残高の0.5% さらに金利は現状で年7%だ。ならば概算で①は$20/月+②は$2/月+金利$2/月=$24の6か月で$144(同レートで2.2万円)と見る。ぺナルティ・金利は2万円ぐらいのものか、まあしかたないなぁ思う。 IRSからペナルティ・金利の請求が来てびっくりする。Original tax amount owed: $400Late filing penalty: $400Late payment penalty: $12Interest: $23.87 納付する元本の$400の2倍以上の合計$835.87の納付となる。 ペナルティだけで$435.87(同レートで6.5万円)だ。元本の6万円を越えてしまっている。仮に元本が100万円なら半年でペナルティがさらに100万円以上払うのか?あり得ない話で、間違いじゃないのかと思ってしまうだろう。 実はこの①Failure to file penaltyには次の条件がついている。60 日を超えて申告が遅れた場合、未払いの税金の 100%または$435(定数)のいずれか少ない方となる。$400前後の元本だと、ペナルティがその倍で2倍税金を払うことになってしまう。 延長申請さえ出していれば、支払い遅れ$12+金利$11.94=$23.94(同レートで3,600円)で終わっている。延長申請を出す・出さないで6万円の差は大きい。ペナルティの詳細はこちらを参照ください。

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2023.10.22
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IRSの作成する申告書

納税申告書を提出しない場合、IRS が代わりに申告書を作成することがある。IRS は、第三者から受け取った情報をもとにこの申告書を作成する。たいていは、 まともな申告書ではなく、大きな納税額を示す。 雇用主が W2 を IRS に送り、銀行も 1099-INT を提出する。利子、配当、キャピタルゲインも証券会社から個人にStatementが送られ、並行してIRSにも送られている。IRS はこの情報を使用して申告書を作成する。 その情報をもとにIRSが代わりに申告書を作成してくれるならば、どんなに楽であろうと期待してはいけない。 株の売り買いを繰り返しているとする。この譲渡益、譲渡損を計算して税額を算出する。当たり前だが、その計算をするためには、譲渡した時の金額と、株のコストがわからなければ計算できない。コストを紐づけられないから、コストゼロ=100%利益だ。RSUなど給与の中に入っていても、譲渡益の計算にも入れてお構いなしに二重計算する。 かくしてIRSの作成する申告書は納税額が数百万円、数千万円という言うお化けのような申告書ができる。これが納税者に送られてくることもあり得る。 これには30日の猶予期間があり、同意する場合は、通知に署名して返送する。 同意はできないわけだから、自分から正しい申告書を作成して提出する事になる。あるいは申告書の提出要件を満たさないのであれば、その理由を説明してIRSを納得させなければならない。 これに答えないで放置すると90日後にはIRS はもう一度、返答する機会を与える。これは最後の警告で、選択肢は、1) 同意する2) 正しい申告書を提出する 3) 提出する必要がない理由を説明することになる。90 日以内に応答しないと場合、IRS は税金を徴収する権利を得てしまう。きちんと正しい申告書を提出するしかない。 この手紙はIRSに通知している最も新しい住所にに送られる。すでに日本に帰国してしまい、本人は一切こうしたことを知らず、IRSはきちんと形式的な段取により、税金を徴収する権利を得ていたら大変だ。 こうした状況を避けるには、最新の住所をIRSに通知して、きちんと申告をしている事だ。もしも申告書を提出していなかったら、申告時期を過ぎていても、IRSから何かを言われる前に自分から申告書を送ればよい。きちんと申告すれば、そんなに心配するような事態にはならない。

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2023.10.15
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便りがないのは良い知らせ

2023年アメリカ個人所得税の延長申告期限がいよいよ明日となっている。 やっと申告書を提出してIRSは何か言ってくるのだろうか。半年しても何も連絡がない。便りがないのは良い知らせと考えてよい。 還付金をもらえるタイミングは、IRSが申告書を処理するタイミングで異なる。電子申告では大体1か月ぐらいで、紙の申告だと3か月程度と考えられる。しかしあくまで目安なので、個々のケースでは様々だ。 さて、IRSから何かを言ってくる場合だ。申告書に関して電話をしてくる、メールで言ってくることはなく、もしもそうしたことがあれば詐欺だと考えてよい。 IRSはコンタクトを行う手段として手紙を用いる。還付以外でIRSから手紙をもらう場合は、大体何かうまく行っていない場合だ。申告書を処理するために不足しているデータを提供してほしい・申告書の内容はIRSとしては同意できない・IRSが計算するとこれだけ税額を納付してほしいといった内容だ。あるいは、延滞税・金利が発生しているのでこれだけ払って欲しいということもある。 IRSから手紙をもらった場合は、無視をしてはいけない。IRSの手紙で足りない情報を提出するように求められた場合は、その情報を提出すれば良い。 さて、税額が過少なので、これだけ払うようにと言ってくる手紙は、正しい場合もあるし正しくない(IRSが間違っている)場合もある。IRSが正しいならば、IRSの言うとおりにすみやかに納付する。時間が経つほど延滞税・金利が増えるからだ。 IRSが正しくない場合は、自分の正当性を主張してIRSに認めさせなければならない。認めさせることができないと、どうにもならない。自分だけではどうにもならない場合は、専門家の力を借りて反論することもあり得る。この場合、経済合理性がなければならない。道路上に100円玉を1個落とし、それを回収するに1,000円かかるなら、動かない方が傷は浅いだろう。金銭はいくらかかっても、自分の正しさを証明したいとなれば別の話だ。 さて、IRSに申告書を提出して何も便りが無いことを願う。これからIRSと事を構える事になると、半年、1年とかかかってもおかしくはない。年内はあと2.5か月だ。来年の1月末には2023年分の2024年申告が始まってしまう。何もなく無風で終わってほしいものだ。

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2023.10.08
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延長申請の効果

10月16日は申告期限の延長をした場合の申告期限だ。ちょうどあと1週間で期限がくる。何としてもこの期限までに申告を終わらせなければいけない。 さてこの延長申請をして申告をすることは税金の面でどんな影響があるのか。 仮に納付額を$500として、次の3ケースを考えてみる。 ① 4月17日の申告期限までに申告をして納税する場合 ② 延長申請をせずに10月16日に申告をして納税する場合 ③ 10月16日までの延長申請をして、10月16日に申告をして納税する場合 ① の場合は簡単で$500を納税する。期限内の申告なので税額$500を支払い、延滞ペナルティ・金利はない。 ② の場合は元々の税額に加えて、申告遅れのペナルティ・納付遅れのペナルティ・金利を支払うことになる。大雑把な計算で、それぞれ$500+$435+$15+$28=$980となる。 この6か月で元本$500の倍近い$480のペナルティと金利が発生する。 ③ は②に準ずる。 同じ計算で、$500+$0+$15+$15=$530だ。違うのは遅れて申告をしたペナルティがゼロだ。延長申請していると、申告遅れのペナルティはなく、③と②の差は$450となる。 実は②の中に申告遅れのペナルティ$435が潜んでいる。60 日を超えて申告が遅れた場合、申告遅れのペナルティは、$435または税金の100%のいずれか小さい方となる。この場合、$500より$435が小さいので、これがミニマムペナルティとなってしまう。 IRSの年間の金利は7%なのだから、ざっと目安で$500×7%×6か月÷12か月=$17.5程度(2千円程度)のコストなら構わないと思っていたとする。実際は計算式も違って$450(6万円以上)というコストだ。 今年はどうしようもないが、来年からは延長申請を申告期限内に行う事が大事だ。

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2023.10.01
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延長戦の特別ルール

税金の計算は、通常は1回行い、算出された税額を払えばよい。野球で言えば1回から9回まで終わればゲームセットだ。しかし、それで終わりにさせてくれないことがある。10回から延長戦に入り、延長戦での税金を計算する。9回までの税金と延長戦の税金を比較して、どちらか高い方の税金を支払わせてはじめてゲームセットとなる。 AMT(Alternative minimum tax)は、特定の高所得納税者に最低額の所得税を支払わせるようにできている。 野球のタイブレーク制のようなものだ。延長戦でランナーを2塁とか得点圏にランナーをおいて始めるというルールだ。当然、得点は入りやすくなり、早く試合が決着する。 2塁にランナーを置いておくには、通常の税金計算で算出された課税所得(9回で算出されたもの)を発射台に置く。それに通常の税金の計算で使われた州税、標準控除、Net operating lossなどを埋め戻して課税所得を出す。 ここからAMTの免除額を差し引く。免除額を超える部分に26%か28%の税率で税額を計算する。この税額に外国税額控除を引いてAMTの税額が出る。AMTの所得税が通常の所得税よりも高い場合は、高い税額を支払う。 誰もがAMTの対象となるわけではないが、適格ストックオプションの行使では、AMTによる税額が出ることもある。即ち、株式を譲渡するまでお金が手元にないにもかかわらず、AMTの税金が先行して発生する事もあり得るので要注意だ。 このAMTによる税額は、全く意識していない事が多い。まるでレーダーに映っていない飛行機が、気が付いた瞬間には自分の背後にいて、一瞬のうちに狙い撃ちされる。まさに見えないStealth taxのようだ。 何としても税金は払ってもらいますよと言う仕組みになっている。

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2023.09.24
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どこの税金を支払うのか

働いて得られる給与の場合、給与をもらう原因となった役務の提供がどこで行われたかを考える。アメリカに住んでいて、アメリカで役務提供がなされていれば、アメリカの源泉所得でアメリカの課税となる。アメリカではなく日本と置き換えると日本の課税となる。 すると、日本からアメリカに1週間、アメリカへ出張して仕事をすれば、1週間分のアメリカ源泉所得が発生して、多くの人がアメリカに申告をしなければならないことになる。年間、何度もアメリカに出張する人は面倒な話になりかねない。実際には日米租税条約の短期滞在者免税の規定で年間滞在期間が183日を超えない場合は免税としている。 租税条約がなく、役務提供地基準で課税が行われると、これは面倒なことになる。飛行機に乗務されている方が、ヨーロッパの上空を飛んだ場合に、1フライトで複数国の国境をまたぐ。その場合、各国が領空上を飛んでいる時間で所得配分をして、複数国に申告をしないといけないとなると大変面倒な話だ。各国との協定があって面倒税務処理は避けられているのだろうと思う。 この話は国境を越えて相手国で働くケースに当てはまる。例えばアメリカ居住のアメリカ市民が、毎日国境を越えてカナダに通勤する、あるいはその逆のパターンがある。この場合は、働いている国の非居住者として、その国を源泉とする所得に対してのみ相手国に税金を支払う。さらに相手国に支払った税金を、外国税額控除として自国から控除する。 国境をまたがずに、アメリカの州税をどうやって支払うのかと言う話も出てくる。 一例としてニュージャージー州に住む人がニューヨーク州で働いている場合、居住している州と働いている州の課税が起きてしまう。二重課税を避けるために、ニューヨーク州の税金を、ニュージャージー州で控除をする。ニュージャージー州はペンシルベニア州と相互税協定を結んで働いている州でのみ課税されるが、ニューヨーク州と同様の協定はない。 ではスペースシャトルに乗って仕事をしている場合はどうなるのか。アメリカはスペースシャトルの勤務はアメリカ源泉所得とする。宇宙空間は特定の国の領空を超えているので、他国と源泉所得を分解するようなことはない。

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2023.08.20
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奨学金の代理返還

企業が社員の奨学金を代理返還する動きが日本では広がっているという。従来は、会社が社員の返済負担を肩代わりするには、会社が直接送金することはできず、返済分を給与に上乗せしていた。支援を受けた人は所得が増えたとみなされ、所得税や社会保険料の負担増となってしまう。 会社が直接送金できるようになったことで、給与の上乗せとはみなされず、税負担は増えずに済むことになる。 さて、アメリカの税務の対象となるアメリカ市民やグリーンカードを持っている人が、日本でこのケースに遭遇したらどうなるのか。 一般論として、アメリカの税務では教育資金のためにお金を借りたり、補助金や奨学金を受けても所得として報告する必要はない。学生ローンは返済する必要があるため課税対象ではない。いつかはお金を返済しなければならない。 しかし、支払わなければならない金額未満で債務が取り消され、免除された場合、取り消された金額は課税対象となり、取り消された分を納税申告書で報告する必要がある。 アメリカの2021年税法では、学生ローン免除規定が決められ、2025 年 12 月 31 日までとなっている。何とか日本の奨学金の代理返還に税金がかからないようにしてくれないかとは思うが微妙だ。 学生ローンの免除に対する法的異議申し立てが米国最高裁判所に持ち込まれ、米国最高裁判所では2023年6月30日、バイデン大統領の学生ローン免除は最終的に無効との判断がなされている。

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2023.07.30
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不動産の取得時期の扱い

日本の不動産を譲渡した時に、アメリカの税金はどう関係するのか。 もともと日本に住んでいる日本人が、日本の不動産を譲渡してもアメリカの税金とは接点がない。 その日本人がアメリカの市民権、グリーンカードを取得したり、アメリカに長期間滞在することで税務上のアメリカ居住者となる。アメリカ居住者は全世界所得課税を受ける事になり、アメリカの税金が入り込んでくる。 アメリカの税務上の居住者になって不動産を取得し、譲渡をする場合はその譲渡益(譲渡損)はアメリカの税務上の居住者である期間に入る。そのままアメリカの税金を考える。わかりやすい。 取得と譲渡の片方がアメリカの居住者ではない場合がある。 不動産の取得時にアメリカの居住者ではない:取得時のコストをそのまま使い計算する。取得した時はアメリカの非居住者なのだから、その期間を外しアメリカの居住者になった時からの譲渡損益を認識させてほしいと言ってもそうはならない。 日本の不動産の譲渡時にアメリカの居住者ではない:アメリカの税金からは外れる。 アメリカの非居住者になればアメリカの税金からはずれるんだと考える。ならば、非居住者になるようにする。アメリカ市民・グリーンカードを持っている人は放棄手続きを行い、ビザで長期間アメリカに滞在している人は、帰国すれば良い。 ところがやっかいなことにアメリカ市民とグリーンカードを持っている人には出国税が立ちはだかる。ビザで滞在の場合は出国税はない。この出国税は不動産を譲渡していなくても、値上がりしている評価益にあたかも譲渡したものとして課税を行う。実際に不動産を譲渡していないから、手元に税金を払うお金がない。それでも課税されてしまう。 この時に、困るのは先祖代々の不動産で、一体、取得した時にいくらだったかわかりようもない。アメリカは相続の場合は、相続時点の市場価格を取得価格とすることが許される。これでかなり救われる。さらに市民権・グリーンカード取得を不動産取得時の価格として認めてくれる。 だったら出国を伴わない時でも、取得した時はアメリカの非居住者なのだから、その期間を外しアメリカの居住者になった時からの譲渡損益を認識とならないのかと思うが、そうはできていない。

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