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2022.09.18
その他

まさか・・・

IRSの抱えている未処理の申告書件数は、IRSの発表では個人所得税では720万件(9月9日時点)と修正申告が170万件(9月10日時点)で約900万件という大変な数字だ。こうした中で、今年5月に発行されたTIGTAのレポートは、IRSが紙の申告書を廃棄してしまったと言う。 コロナウイルスのためにIRSは2020年3月と4月に、申告書の処理センターを閉じた。2020年6月に再オープンしたが、紙で申告された申告書が大量に未処理で残ってしまった。システムの制約で、IRS は紙の申告書を受け取ると、その年末までに処理する必要があるという。2021 年の申告シーズンが始まると、2020年の申告書を処理できなくなることを意味する。 ということで、IRSは2021年3月に推定3,000万件の紙の申告関係書類を、入力せずに廃棄してしまったようだ。 IRSはその書類は本人が提出した納税申告書ではなく、第三者の支払者が IRS に提出した情報で、主としてForm 1099だったと言う。そして、その情報の 99% は対応する納税申告書と照合され処理された。しかし残りの 1%(推定3,000万件)は、IRSのソフトウェアのリミットと、2021 年の申告シーズンの新しい書類のスペースを確保するために破棄されたということのようだ。 IRSが釈明をしているので廃棄は事実だろう。しかしながらこれはたった1回の事で、今までは全くなかったのか?申告書そのものも処理されずに捨てられていたのでは?と疑心暗鬼になる。2020年以前の申告書で、いまだに還付金をもらえていないケースもある。倉庫の中に申告書が山積みになり、保管場所がないからとそのまま捨てられてしまったと言う事だけは無いことを祈る。

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2022.09.11
遺産税・贈与税

遺産税の統計を見る

アメリカの総人口は、2016年において約3.2億人で年間の死者数が約275万人だ。このうち、遺産税を納付する申告書が提出された件数が約5,300件で、亡くなった人の0.19%が遺産税納付の申告をしている。 統計では遺産税を納付する比率は、1976年の7.65%が過去90年近くで最も高い。2000年には2.18%で、2005年には0.97%と1%を下回った。2011年から2016年では、0.18%とか0.19%で推移している。1976年レベルの40分の1まで縮小している(出典:IRS、Tax policy center)。 いずれにしても2016年値で0.19%と言う事は、アメリカでは亡くなった人の1,000人に対し、2件しか遺産税を納付していない。さらに、ここ2・3年では課税の申告書は約1,900件まで落ちている。とすると1,000人に1件弱となってしまう。 日本では財務省の2019年データでは、死亡者数約138万人で相続税の課税件数が約11.5万件だ。相続人数が平均2.74人だと言うので死亡者数あたりに割り戻すと、課税件数は42.691件となる。亡くなった人の3.0%だ。1,000人に30件程度となってしまう。アメリカの遺産税は故人に対する課税で、日本では相続人に対する課税なのでレベルを合わせた。 アメリカの遺産税が課税されない原因の大きなものは基礎控除の大きさだ。2016年では545万ドル($1=113円で約6.2億円)だったが2022年現在では1,206万ドル($1=140円で約16.9億円)ある。さらに配偶者の未使用分も使おうとすると、今では最大でこの2倍の34億円弱となる。 アメリカの遺産税は外国人に対してはそんなに甘くはない。相続税条約を結んでいない場合は6万ドル($1=140円で8.4百万円)の基礎控除しかない。アメリカに不動産を持っていれば軒並み課税対象となってしまう。日本はアメリカとの相続税条約があるので、基礎控除が6万ドルとはならないが、それでもアメリカ市民と日本人の相続では差がある。 金持ちになったら、相続には課税せずに子々孫々金持ちでいられる社会が良いのか。亡くなったらお金を社会に還元して、社会に活力を持たせるべく遺産に対して課税をするべきか。

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2022.09.04
その他

一石二鳥となるか

IRSは8月24に2019年・2020年申告書が2022年9月30日まで提出された場合、IRSは期限遅れのペナルティを課さないことを発表した。2019年・2020年の申告書を提出して、既にそのペナルティが課せられていた場合は還付される。還付は自動的に行われるために手続きを要さない。 連邦所得税の申告書が遅れて提出された場合、ペナルティは月額 5%で、最大 25% が課せられる。これが免除となる。 さらに情報申告でもペナルテイの免除が行われる。2019年の申告が2020年8月1日までに申告されていたものと、2020年の申告が、2021年8月1日までに申告されていたものでペナルテイが免除される。 対象となる申告書は下記だ。 • Form 1040 (individual income tax) • Form 1041 (trust and estate income tax) • Form 1120 (corporation income tax) • Form 990-PF (private foundation return) • Form 990-T (exempt organization business income tax return) • Form 1120S (subchapter S tax return) • Form 1065 (partnership tax return) • Certain international information returns 申告をしていない人の申告を促し、コロナウイルスで影響を受けている人を救済することが目的とされている。さらにIRSの未処理の申告書を処理することにリソースを集中させて、何とか2023年の申告シーズンでは通常の状態に戻る狙いがある。 (未処理の申告件数) 2022年8月26日時点でIRSが2022年に受け取った個人の申告書で820万件が未処理となっている。うち170万件が修正を要し、650万件が処理されていない。さらに修正申告は、8月27日時点で170万件未処理となっている。この合計が990万件となる。 8月5日時点は個人所得税の未処理分は970万件だ。このうちの180万件で修正が必要で、790万件の紙の申告書が処理されていない。修正申告書の未処理件数は、8月6日で210万件という数字だ。この合計が1,180万件となる。

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2022.08.28
所得税

課税所得?学生ローン免除

バイデン大統領は8月24日、1人当たり10,000ドルの学生ローンの返済免除を発表している。 年収125,000ドル以下、夫婦の場合は250,000ドル以下の世帯に対し、10,000ドルの学生ローンの返済を免除する。 低所得の学生が受けるペル・グラントの受給者に対しては最大20,000ドルの免除を行う。2020年3月に施行した学生ローンの一時的な返済停止措置については、年末まで延長する。 これは学生ローンを抱えている人には間違いなく朗報だが、債務免除となることの課税関係が気になった。 基本的に債務免除益は課税所得となり課税を受ける。 たとえば、年間課税所得が 40,000 ドルの人が、10,000 ドルの債務を負っているのに、10,000ドルの返済を免除される。この場合、免除された10,000 ドルの負債が課税所得となり、合計が50,000 ドルになる。2021年の税率表で見ると、独身の場合はこれにより2,150ドル税金が増加する。 債務が免除された時には、 Form 1099-Cを発行され、免除された金額が課税所得として IRS および納税者に報告される。お金はとっくの昔に授業料で支払われているため、単純に税金が増えたと思ってしまうかも知れない。これだと債務免除のありがたみが薄れる。 今回の場合は、学生ローンの債務免除を非課税扱いとするというので、連邦税では心配することはない。しかしながら州税も考えなければいけない。連邦と州では必ずしも扱いは同じではない。13州では課税されると言う情報がある。 学生ローン返済の免除は、すべて返済をしてしまった人にはどう映るだろう。

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2022.08.21
その他

欠かせない水分

暑い夏に水分は欠かすことができない。コンビニやスーパーで水が大量に売れて棚に商品が少なくなっているのを見かける。個人の生活で、生きるために水や食料品を購入しても、その費用を控除することはできない。 この炎天下で働いている人では、水を飲まないと命にかかわる事もあり得る。贅沢をして水を飲むわけではない。 このため、カナダは、自営業で徒歩・自転車で配達をする人に8時間の労働で、1 日あたり水や食料を17.50 ドル差し引くことを認めていると言う。定額の範囲では領収証は求められない。 アメリカの税務では、事業をしている場合、控除対象の費用となるためには、その費用が通常のもので、業務に必要なものでなければならない。店を開いて、食材として水や食べ物を購入すれば、売り上げのコストとなる。 自動車で配達をしている場合は、燃料代や油脂代、整備費用等は欠かすことができない。同じように、炎天下で徒歩や自転車で配達をしている人、人力車でお客様を乗せて走っている人には水や食料は欠かせない経費だろう。合理的な範囲でコストと考えても不自然ではない。 そうは言っても、仕事とは無関係で日々の生活で消費するもの、または家族のものを控除することはできない。仕事と個人的な生活で使用する費用がある場合は、総費用を仕事と個人の部分に分けなければならない。 プロスポーツ選手なら食べることが仕事の重要な部分だろう。普通の人でも考えてみれば、食べる事は仕事のエネルギーとなり、所得を得る事につながる。同時に仕事以外でも個人の生活のためでもある。お昼代1000円を、ある人は業務用40%、個人用60%、別の人は70%対30%とか分けられるものだろうか。話としては興味があっても、税務とはなじみにくい。

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2022.08.14
その他

大変な数だ

8月5日時点で、2021年個人所得税の未処理分は970万件だとIRSは言う。このうちの180万件でエラー修正が必要で、790万件の紙の申告書が処理されていない。修正申告書の未処理件数は8月6日で210万件という数字だ。この合計が1,180万件となる。 日本からの紙の申告書はTX州Austinに送られる。ここでは3,400人が働いているとのことだ。 紙の申告書は、人の手でIRSのコンピュータに入力される。自分が1つの申告書の全情報を手入力すると20分で終わろうか、30分かも知れない。日本人なので日本の住所や人名になじみがあるので、まだいいかも知れない。外国人がスペルの間違いもなく日本の情報を入力するのは、さぞ大変な事だろう。 1時間に2つか3つの申告書を、正確に機械のように8時間入力し続ける事は無理だ。その単調さに参って集中力も途切れる。エラー修正とか考えながら処理できるのは、簡単なものなら1日10件程度か。それを毎日、毎日、一年中続ける。1日10件で20日稼働の12か月で年間2,400件だ。仮に全員がインプットできるとして3,400人をかけると816万件となる。全員がインプットだけの仕事と行かないから、もっと少ない数となって、どうやっても1年では終わらない。2023年1月からは2022年分申告が始まって、さらに件数が上乗せされる。 IRSはこのAustinを廃止して他州の拠点に統合するとしていた。こうなると、家族を連れて他州に引っ越すことができるのかと考えるだろう。引っ越しもできないと、事務所が閉鎖されるまでの仕事で、その先はどうしようとか仕事中に頭の中で考える。モチベーションが上がって能率がどんどん上がることはないだろう。 IRSは言う。申告書がどこかに行ってしまい、紛失したのではないかと考えて、2回目の申告書を提出したり、IRSに連絡を取ろうとしないでほしいとのことだ。ますます状況が悪くなってしまう。IRSで働く人も大変そうだ。

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2022.08.07
情報申告

一緒にできないものか

FBARがスタートしたのは1970年ですでに50年以上の歴史がある。それから40年後の2010年にFATCAがスタートした。個人から見た時に、FBARとFATCAの申告はほぼ同じではないかと思ってしまう。 確かに申告を要する金額が異なる。単一口座ではなく口座の累積だ。 FBAR:10,000/人以上 TATCA:アメリカでは年末$50,000/人以上 年のいずれかで$75,000/人以上 海外においては年末$200,000/人以上 年のいずれかで$300,000/人以上 しかし記載している情報は最高金額、預金口座/証券口座、金融機関名、口座番号、金融機関住所で、ここは重複している。ならば個人の申告においては、FBARとFATCAを統合して一本にできないものか。 なかなか一本化できないなら、日本・アメリカ以外の第三国だけの口座を報告する。アメリカから見れば日本は外国だが、日本でFBAR/FATCAを提出している人にとり、日本は居住国であり外国ではない。 IRSから見ればアメリカ国内の金融機関の情報はすべてわかる。外国だってアメリカの水準まで引き上げるとするものが、逆にこれだと見えなくなると言うのだろうか。 あるいはFBARの金額要件を見直したらどうだろう。FBARの報告基準額は50年前から$10,000だ。インフレを見ると現在は約$76,000に相当している。 多くの日本人でFBAR/FATCAを提出している人は、もともと日本に暮らしている人たちが大多数だ。日本に住んでいれば、日本に預金口座がなければ困る。金融資産を隠すために日本に金融口座を持っているわけではない。何とか簡単になってもらいたいものだ。

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2022.07.31
その他

外国為替取引なんかしてないのに

この所の円安でドルを日本円に交換して、自然と顔が緩んでいる方も多いだろう。 仮に$1=100円の時に$10,000(100万円)を預金していたものが、$1=130円で日本円に交換したら130万円となると、30万円の利子をもらったようなものだ。もちろんこの為替益は課税対象なので申告が必要になる。税金を払ってもなお、円預金では得られない利益が残って喜ぶだろう。 さて、アメリカ市民やグリーンカードを持っている人が、日本で持っている不動産を譲渡したとする。譲渡金額が5,000万円だ。住宅ローンを3,000万円借りて、1,000万円を返済しているので、ローンが2,000万円残っている。その譲渡額5,000万円でローンの残債を返済し、手元には3,000万円残る。 やれやれ一段落と思ったものが、アメリカの申告では一段落ではなく、びっくりすることがあるかも知れない。 仮に$1=100円の時に3,000万円($300,000)のローンを借りたとする。家を譲渡した残債2,000万円を返済した時には$1=130円だった。日本円では3,000万円を借りて3,000万円を返している。 ところが、アメリカの申告から見れば、2,000万円の残債は$1=130円となったために、$153,846を返済しただけで、住宅ローンが無くなっている。あたかも$200,000-$153,846=$46,154だけ住宅ローンを減額してもらっている。これは立派な所得だ。 円で動いているので、実際にそのお金を自分が手にしていないし、幽霊みたいな所得だ。しかし、アメリカの申告はドルで動いている。幽霊みたいな所得に課税され、アメリカに納付しなくてはいけないとしたら、びっくりして腰を抜かしそうになるかもしれない。 自分では全く気が付いていなくても、住宅ローンで立派に外国為替取引をしている事がある。

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2022.07.24
その他

クレジットカードで日本から納付

日本からIRSに税金を納付するやり方は、ここ2,3年で大きく変わった。以前はドル小切手を銀行で作ってもらい、支払伝票と共にアメリカに送付できた。銀行の窓口に出かけたり、小切手ができるまで日数がかかったり、手続きが面倒だった。それも今では、IRS向けのドル小切手を作成してくれるところがなくなっている。 アメリカに銀行口座を持っていれば、その口座から銀行振り込みをするとか、支払い手段の幅が広くなる。 アメリカの銀行口座もない場合、日本から支払いを行なおうとすると、クレジットカード決済しか思い浮かばない。クレジットカード決済は、まるでオンラインショッピングの決済と同じようにできるので、簡便なことがこの上ない。自分のPCや端末から10分、15分で支払えるのでありがたい限りだ。 クレジットカード払いはここから入ることができる。 このクレジットカードが頼みの綱で、これで何とかなっていた。ところが、最近、クレジットカードで手続きがエラーになって、入力画面を開く事すら出来ないと言われてしまった。今までエラーを言われたこともなく、技術的な問題なのは間違いがない。しかし、どうやって回復できるのかアドバイスできる技術的な知識がない。 しかたなく、3つあるうちの他の会社を試してもらったら、何と問題なくうまく行ったと言う。原因がわかってこうしてくださいと言えないのだけども、今の所、他の会社も試してもらうしかない。きちんとした解決策があるのだろうが、それがわからない。クレジットカードが頼みの綱で、これがうまく行かないとお手上げの状態だ。

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